贅沢ミニマリスト

「彩透(さいとう)いろ」の小さな暮らし

ミニマリスト的生き方をしているあの有名人とは。

作家の村上春樹さんが好きだ。ミニマリストになるずっと前から好きだった。どこが好きかと言われると分からない。スパイスカレーのように、美味しいのがなんだか分からないけれど、また食べたくなるあの感じに似ている。

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印象的な描写はやはり食べ物だ。どの小説だったかな。キューリとハムのシンプルなサンドイッチの描写にノックアウトされた。

あまりにも描写が美味しそうで、しばらくはキューリとハムのサンドイッチばかり食べていた。自分で作ったりもした。

不必要な単語がひとつも無いような、短い単語をつなぎ合わせたようなシンプルな文体、なのに、読んでいると本当に涎(唾液)が出てくる。何をどう作用させたらそんなことが出来るのだろう。

彼は小説の質を上げるために不必要なこと一切を徹底的にやらないことで有名だ。例えば彼はたったひとつの例外もなく結婚式に出席しない。

社会性とか、世間体とか、そういうものが欠如しているーー訳ではなく、小説家として精一杯できることをやることがーーつまり役割を果たすことが、小説家としての唯一自分にできることだと心得ているからだ。

毎日一定の距離を走り肉体を鍛え、コーヒーを沸かし、朝9時〜10時位までに仕事を終える。仕事とは400字詰め原稿用紙10枚分の小説を書き進めることだ。最も、今はPCで書いているだろうけれど。

彼の中でルーティーンが出来上がっている。小説家として必要なことしか彼はやらない。その生き方は潔く気持ちいい。その潔さが文体にもあらわれているようだ。

彼の小説は世界50カ国以上の言語に翻訳され、親しまれている。彼の生き方にも文体にもミニマリズムが息づいているように感じられる。

私はまだまだ断捨離の余地があり、ミニマリズムを学ぶ余地がある。私も自分の与えられた役割を果たせるよう、磨いていかなければ。