贅沢ミニマリスト

「彩透(さいとう)いろ」の小さな暮らし

借りている家の退去を大家さんに命じられた。法律相談が心強かった話

この事件は七夕の昼に起こった出来事。私が暮らすのは賃貸一軒家。まだ引っ越してきて3年です。

にも関わらず、大家さんに今年度中に立ち退くように(退去するように)突然言われました。(契約書と文書が届いた)青天の霹靂です。
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何が原因だと思いますか?そしてその対処法は?これはもう事件と言っても差し支えない・・。現在進行形のトラブルについて書きます。
 

我が家の背景

私は5LDKの賃貸一軒家を3年前に借りて生活を始めました。古いけど安くて広い。

3人家族では広すぎるので、里親募集していた中型犬を向かい入れ、平和で静かな3人家族+愛犬で幸せな暮らしをしていたのです。

私たち何か悪いことしたのかな?

まず、思ったのは、何か追い出されるようなことしたかな?ということです。愛犬は全く吠えないし、私たちは静かに過ごしているし、ゴミもちゃんと期日を守って出しています。

家賃を滞納したことはないし、近所トラブルも起こしていない。家だって綺麗に使っている。じゃあどうして今年度中に家を出ないといけないんだろう?

書面には「老朽化のため、今年度中で契約解除」とありました。しかも打診やお伺い、なんてものではなく、「決定ですから」という内容で、なんとも強気な文章でした。

でも古いことは、賃貸契約を結んだ時点から分かっていたことです。そもそも老朽化した古い家。それを安くで借りたんですから。そして3年しか住んでいないわけです。

正直、不信感が募ります。納得できる理由ではないよねーと。

そもそも大家さんとの関係性は

大家さんとは上手くやっていると思っていました。年に1-2回会うか会わないか程度ですが、会うたびに「好きなように暮らしてくださいよ」と声をかけてくれていたので。

ただ、少し修繕費などを出し渋るところがありました。

例えば入居前からあった、お風呂場の蛇口のちょろちょろとした水漏れを、直して欲しいと言ったところ「安くで貸してるから」を理由にのらりくらりと話題を変えて、結果的に出してくれなかったり。

その辺り、気持ちよく出してくれたら嬉しいけれど、安くで借りてるし、しょうがないかなぁ、と私は思っていました。

夫は、「家主が義務を果たさないのはおかしい」と言いながらも、そののらりくらりに付き合い続けるのも時間がかかるので、結局はコンタクトをとるのを諦めていました。

夫が仲介業者に聞いてみた

大家さんから直接封筒が届いたものの、そもそもは仲介業者を通して、出会ったこの家。だから、夫が仲介業者に出向きました。

場所も名前も変わらず経営している超有名不動産屋さん。しかし、どうやら経営母体は変わっていました。3年前担当してくれた人はもちろんおらず。

たらい回しにされながらも夫がなんとか得た情報、それは。

土地を売ろうとしている、という事実

仲介業者の方からの情報では大家さんは「隣の一軒家の方と話し合い、土地を売る計画を立てています。」とのことでした。

私の暮らしている地域は築50年クラスの一軒家が並んでいます。住んでいる方々もだいたい70歳代のお年を召した方々ばかり。

要はみんな古い家に住んでいるのです。

そのお隣さんの土地は最近買い手が見つかったようです。それを知った大家さんは、お隣さんに便乗して、自分も合わせて売りたい、と言うのが本音なのだということでした。

原因は先日の北大阪地震です。古い一軒家なので大いに揺れましたが、モノが壊れることなく無事乗り切ることができました。

それから3週間。私はと言うと、その地震を通して自分自身が大切にしているミニマリストライフの強みと弱点に気づきました。

そして、より暮らしやすい自分の生活のために行動を起こして強化していたわけです。

でもやっぱり余震が続く生活に不安を感じつつ、「いつも通りの毎日」を願いつつ生活をしている現状です。

きっと災害を経験した全ての人は、何かしらの気づきを得て、何かしらのアクションを起こしたことでしょう。

そこで、我が家の事件に戻ります。大家さん(70才代)のアクションとは、安全のために「貸している一軒家を断捨離しよう」と言う考えにどうやら至ってしまったようで・・。

大家さんに断捨離スイッチが入った

やめて!いやいや、冗談じゃないですよ!大家さんの気持ちも分からなくはないですが、私たちにも「暮らし」があります。

「出て行って欲しいねん、売りたいねん。」と言われても急すぎやしませんか?

これから先後10年は住むつもりで借りた家。だから愛犬も向かい入れたわけです。

ちなみにこの家に来るまでは、2DKのマンションで3人暮らしでした。もう2DKは無理でしょう。間も無く子どもは中学生ですから。

今年度家を出ないといけないとすると、もう家を探し始めないといけません。

何を捨てて何を選ぶか・・悩みに悩んだ

そうなると、何を妥協するか。広さは妥協できます。そもそもモノは少ないですし、使ってない部屋があるくらいですから。

家を出るとなるとまず思い浮かぶのは子供の学区です。こんな大人の都合で、子どもに転校させることは心身への負担と影響が大きすぎます。

次に愛犬問題です。老犬といえど、飼い始めた犬をまた里親に出すことは、子どもの気持ちを考えると難しい。

ペットや子どもの環境を考えたとき、条件は犬が飼えて、この校区内で、となってきます。

私は今より高い家賃の家に住みたくないです。無駄に固定費を上げたくないですし。

こんな条件、現実的には困難です。犬を諦めるか、家賃を上げるかしなければ。

市の法律相談がとても役立った

上記のように色々と夫と話し合ったのですが、どうしようもないので、市の法律相談窓口へ行くことにしました。

私の市では年に2回、無料で法律相談をしてくれます。市役所に問い合わせたら親切に教えてくださいました。

予約を取って夫が一人で相談へ。そこで教えてもらったことがとても心強かったのです。

【弁護士さんが教えてくれたこと】
居住権(正確には借家権だそう)が一番強いよ!賃貸であっても出て行く必要はなくて、ちゃんと市民の生活は守られてるんだよ!
・だから立ち退きは拒否する権利があるんだよ!
・住み続けることを選んだ時、もし大家さんが家賃を上げようとしても、こちらの承諾なく上げられることはないよ!
・万が一、大家さんに「家賃受取拒否」などの手段を取られたとしても、法務局にある「供託所(きょうたくじょ)」に家賃を預ければ問題ないんだよ!
・あとは大家さんと賃貸契約者がどこで折り合いをつけるか!(折り合いとは要は「お金で解決する」ってこと!)

だそうです。あぁ神様ありがとう・・。

どうしてここまで言い切れるのかというと、その弁護士さん自身が過去に、「居住者に立ち退いて欲しい」という大家側の弁護にあたったことがあるそうです。

しかし、法律的に無茶苦茶難しかったそうで、それほどまでに居住権(借家権)というのは強いものだと思ったとのことでした。

あまりにも無知な私は、大家さんの口調があまりにも強気なので、大家さん>賃貸契約者という図式が脳内には出来上がっていました。

しかし、本来はそうではなかったのです。それがわかってひとまず安心。

大家さんの気持ちも分かります。でも私たちにも暮らしがあるのです。

というわけで、夫が大家さんと絶賛協議中です。

なんとか折り合いがつけばいいんだけど。本音では出ていきたくないなぁ。

なーんて、自分の気持ちをそのまま書きたくなりました。吐き出せる場所があって良かった・・。

状況がどう転んでいくのか?顛末を随時書いていきたいと思います。

結局のところ「家を持つって大変だな」

私たちがお借りしているこの家は大家さんが生まれ育った家で、ご両親が亡くなられたことをきっかけに相続されたそうです。

それにしても家を(土地を)持つって大変ですよ。何がって「管理」が大変なんだと思います。

大家さんは相続した家の税金を払ったり、住んでいない家の手入れをしたり、150万円かけてリフォームして人に貸してみたりしたわけです。

はたまた貸してみたものの、蛇口から水が滴るどーにかしてくれとか入居者に言われたり、売りたいときに出て行ってもらえなかったりしているわけです。なんだかやることいっぱいやなぁ、大家さんも大変やなぁと同情してしまいます。

絶賛協議中の夫がいうには、大家さん自身も「居住権(借家権)が何か」分かってなかったそうです。

仲介業者に「大家さんに有利な契約書になっています」と言われていたことと「契約は2年更新である」から「更新の半年前に言えば必ず居住者には出て行ってもらえる」と思い込んでいたと。

数年間貸したつもりの大家さんと、子どもが巣立つまで10年は住もうと思ってた私たち。

もうすでに賃貸契約を交わしている時点から「思い」はずれていたんだな。

断捨離したい気持ちはよく分かる

地震の影響で身軽であることの生きやすさに大家さんも気づいたのかもしれません。そこは私も同じ気持ちです。

地震は今のモノに溢れた暮らしへの「警告」なのかもしれません。

私はミニマリストなので地震によって凶器に変貌してしまう家具なんてあんまり持ってませんよ!こないだの地震も無傷ですよ!と言いたいのですが、分かってもらえそうもありません。

この先暮らしがどうなっていくか分かりませんが、3年間、古いながらも一人一部屋以上使いながら「余白・空白」を楽しむ暮らしを満喫させてもらいました。

それは他ならぬ大家さんのおかげです。

現在はダイエット中ですが

ダイエット終わったら断捨離やな・・と思いを強めた出来事・・。明日何が起こってもいいように、もっともっと身軽でいたい。

人生って面白いですね。何が起こるか本当にわからないものです。